名古屋市子宮頸がんワクチン予防接種調査最終報告書

名古屋市と名古屋市立大学に請求して入手した「名古屋市子宮頸がんワクチン予防接種調査最終報告書『3.調査結果の解析』および『4.まとめ』」を全文公開します。名古屋市立大学が名古屋市に「最終解析」として提出した文書の未公開部分です。

  集団提訴の行われた7月27日、筆者は名古屋の「最終解析」を手にしていた。名古屋市と名古屋市立大学に対して情報公開請求を行って入手したものだった。
名古屋市は最終解析をまとめなかったわけでも、中間解析の結果を撤回したわけでもなかった。最終解析を含む「最終報告」は公的文書として出せる形で3月には完成していたのだ。最終解析でも、やはりワクチン接種と24症状との間に薬害と呼べるような因果関係は否定されていた。
興味深いのは、被害者団体からの要望で実施した、複数症状に関する解析(9、10頁)だ。「1つ以上の症状がある」から「10個以上の症状がある」までに患者のうち、ワクチン接種者において非接種者よりも多かった群は1つも無かった。それどころか、年齢の影響を取り除くために行った多変量解析の結果、ワクチン接種群の方がワクチン非接種群よりも、症状の重なりが「少ない」ことが明らかになっていた。

(『新潮45』2016年12月号掲載、「薬害でっちあげ」より)

名古屋市の情報公開データ(PDF)