2022年11月21日
子宮頸がんワクチン接種による「子宮頸がん排除」に向けて
守れる命を守る会
代表 石渡勇
守れる命を守る会は、本年4月より子宮頸がんを予防するHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)接種の積極的勧奨が再開し、この間、接種を受けられなかった人へのキャッチアップが始まったことを改めて歓迎するとともに、関係各位の尽力と国の英断に敬意を表します。
また、来春より9価ワクチンが定期接種となること、2価・4価を接種した人も9価を組み合わせて接種できるようになることを心から歓迎します。
日本は、WHO(世界保健機関)から「女性に優しくない国」と見られています。
背景には、子宮頸がんの積極的接種勧奨が約9年もの間控えられ、定期接種であるにもかかわらず接種率1%以下という状態が長年続いたこと、子宮頸がん検診の受診率が約40%と低迷していることがあります。
WHOは、ワクチン接種率90%・子宮がん検診率70%・適切な治療率90%の3つにより、子宮頸がんを珍しいがんにする、「子宮頸がん排除」のためのロードマップを示していますが、先進国中、子宮頸がんの罹患率・死亡率はわが国でのみで増加し、その流れと逆行している状況です。
日本もこの状況を挽回し、1人でも多くのワクチンで守れる命を守っていかれるよう、改めて以下を国に要望します。
①副反応だとされる疼痛やけいれんなどの症状は、思春期に珍しくない身体表現性の症状の紛れ込みであり、ワクチン薬剤との因果関係は認められないことを、はっきりと分かる言葉で説明し、周知すること
②子宮頸がんワクチンは「危ない!」とも受けとめられる、あいまいな表現を改め、子宮頸がんワクチンは「非常に安全」かつ「接種が推奨される」ことを積極的に発信していくこと
③現行の3回接種から世界標準の2回接種スケジュールに切り替え、1人でも多くの人にワクチンで命と健康を守る機会を提供していくこと
④中咽頭がんなど男性に多いHPV関連がんを予防し、集団免疫により子宮頸がんの予防もより確実にしていくため、男子にも公費接種すること
関係各位におかれましては、行政や学校を通じた接種の通知の徹底、医療機関や学校における接種の声かけ、学習会など、接種率を上げていくための努力を引き続きお願い申し上げます。
以上